Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命 ―移動と都市の未来―の書評を書いてみた

「Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命 ―移動と都市の未来―」という書籍が気になっていませんか?
実際に読んでみて、業務でMaaSに触れた、MaaSについて知りたいと思った方であれば、ぜひ一度手に取って欲しい一冊さと感じました。

この記事では、業務でMaaSに少し携わっているITエンジニアの自分が、「Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命 ―移動と都市の未来―」(以下 Beyond MaaSと呼称)を読んで感じたことをまとめてみました。



「Beyond MaaS」を手に取って欲しい人

もしあなたが、以下のどれかに当てはまるのであれば、「Beyond MaaS」はぜひ一度読んでみて欲しい一冊です。

MaaS関連の業務に取り組んでいるが、自分の知識不足を実感している。
業務でMaaSに携わるので、基本的なことを理解したい。
最新のビジネストレンドについては絶対にキャッチアップしておきたい。

私自身、業務でMaaSに少し携わっているのですが…この分野については何も知りませんでした。MaaSに携わっていると言っても、「少し触れてる程度」なので、別に知らなくても困ることはなかったので。

ですが…今後のビジネスキャリアを考えるにあたって、MaaSの概要が気になって。ネットでMaaS関連の書籍を探して、一番良さそうなこの本を買ってみたのですが、これがとても良かった。
MaaSの基礎知識や参入しているプレーヤー、他業界のコラボなどの知りたい情報が、とてもコンパクトにまとめられてました。



「Beyond MaaS」の内容は?どんな構成になってる?

コンパクトといっても、この本ページ数は427あります。最初一読した時は「情報が沢山ありすぎて何から理解すれば…」と思いましたが、改めてじっくり読んでみると、この本の内容は以下の5つにまとめられるんだな、と理解できました。

①MaaSの概要

1章と2章が該当。日本におけるMaaSの特徴や政府による取り組み、MaaSに参入している企業の紹介の他、「日本版MaaS」を実現するにあたっての課題などを解説しています。

②MaaS関連のビジネスをどう創出していくか

3章と4章が該当。MaaSをビジネスとして推進するにあたって身に付けたい視点やMaaSのエコシステム、MaaSが提供できる価値について解説しています。
また、モビリティサービスを進化させた「Deep MaaS」、異業種とのコラボを行う「Beyond MaaS」という、本書独自の概念についても触れられています。

③交通、自動車業界のMaaSへの取り組み

5章と6章が該当。鉄道、バス、タクシー、航空、自動車業界がMaaSとどう関わるべきかについて論じた章。
自動車業界については「CASE」との兼ね合いについても触れられています。

④MaaSと異業種とのコラボ

7章が該当。不動産、医療、エネルギー、金融、広告、ゲーム、物流などの17業界が、MaaSとどう関わっているのかの実例を解説しています。読むだけで色々なアイデアが湧いてくる、個人的に一番面白かった章。

⑤スマートシティにおけるMaaSの意義について

8章が該当。デジタル化された都市におけるモビリティのあり方や、MaaS時代におけるスマートシティの実現に向けて論じた章。

これ以外に、随所でMaaS領域で活躍中のプレーヤーのインタビューが掲載されています。
MaaSグローバルCEOやTrafiのマネージングディレクター、モビリティXのCEO、GOJEKのゼネラルマネージャーといった海外の有名ベンチャーが目立ちますね。ただ7章ではMellow代表取締役など、日本人を取り上げた内容も含まれています。

「Beyond MaaS」の著書はどんな人?

「Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命 ―移動と都市の未来―」は、以下の4人による共著です。

日高 洋祐(ひだか・ようすけ) MaaS Tech Japan 代表取締役
牧村 和彦(まきむら・かずひこ) 計量計画研究所 理事
井上 岳一(いのうえ・たけかず) 日本総合研究所 シニアスペシャリスト
井上 佳三(いのうえ・けいぞう) 自動車新聞社 代表取締役

このうち、日高氏が公共交通やテクノロジーのビジネス応用について、牧村氏が国内外の最新事例の分析や都市計画、井上(岳)氏が地域活性化や政策面、井上(佳)氏が自動車やモビリティサービスについて執筆されています。

この4名は2018年に「MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ」という書籍を出版しており、本書はその続編という位置付けになっています。もし前作を購入して良いと思ったら、本書はぜひ手に取った欲しいですね。

前作の詳細はこちらから。

日高 洋祐/牧村 和彦 日経BP 2018年11月24日頃
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ただし、前作を読んでいなくても本書を読む上で問題はありません。私自身、MaaSについての知識はほぼありませんでしたが、本書について読みにくさは全く感じませんでした。これからMaaSに触れる方にぜひ手に取って欲しい一冊です。

本書を読んでみるか迷われてるのであれば、牧村氏のTwitterや井上(佳)氏が運営されてるメディア「LIGARE」を確認してみてはいかがでしょうか。

・牧村氏のTwitter

・モビリティサービスの専門誌LIGARE(リガーレ)

また、日高氏がCEOを務めるMaaS Tech Japanも、まれにお知らせやプレスリリースとして発信を行っています。あわせて確認しておくといいかもしれません。

・株式会社MaaS Tech Japan

・ニュース | 株式会社MaaS Tech Japan

個人的には、牧村氏のTwitterは色々な情報が発信されるのおもしろいな〜と思ってます。Twitterやってるなら、一度フォローしてみてはいかがでしょうか。リアルタイムでMaaSのトレンドをキャッチアップできますよ。

まとめ

「Beyond MaaS 日本から始まる新モビリティ革命 ―移動と都市の未来―」は、MaaSに少し触れてる方なら一度は読んで損はない一冊です。国内外におけるMaaSの現状やMaaSを活用したビジネスモデル、この領域に携わっているプレーヤーの動向がわかりやすく書かれています。著書4名は2年前にもMaaSに関する書籍を出版されている、この分野きってのスペシャリストです。

ここ1~2年、バズワードと呼んでもおかしくはいMaaS。7賞を見ればわかるように、どの業界もMaaSの影響を少なからず受けています。もしも仕事でMaaSに携わる機会があれば、この本を手に取ってみてはいかがでしょうか。この本に目を通しているかで、日頃の業務において色々な気付きがあるかもしれませんよ。

日高洋祐/牧村和彦 日経BP 2020年03月06日頃
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