【書評】デジタルテクノロジーと国際政治の力学【塩野誠】

こんにちは、だーやまです。

塩野誠さんの「デジタルテクノロジーと国際政治の力学」という本を読んでみたので、その内容をアウトプットしてみます。



なぜこの本を買ったかの?

・書店でたまたま手に取って面白そうだと思った。
・もともと、「政治 × テクノロジー」の領域に興味がある。
・「テクノロジーが国際政治に与える影響」について、体系的に知りたいと思った。

著者・塩野誠さんについて

・経営共創基盤(IGPI)の共同経営者・マネージングディレクター
・シティバンク、ゴールドマン・サックスやライブドアでの勤務経験あり
・ヘルシンキ在住。ロシア、北欧、バルト地域に関する投資業務の経験あり
・グロービス知見録にも度々登場してる。以下を見ておくと面白そう

ビジネスリーダーが認識すべき「地政学リスク」~塩野誠×平将明×村田晃嗣×高橋亨

コロナ禍でビジネスリーダーが考えるべき18のこと〜経営共創基盤 共同経営者・塩野誠

「デジタルテクノロジーと国際政治の力学」の内容とは

デジタルテクノロジーは各国で政治、経済、社会、安全保障に影響を与えており、その影響は国際政治のパワーバランスを変える可能性がある。
国家のパワーは軍事力、経済力、情報、領土の位置や大きさなどで規定されるが、現代はこれにデジタルテクノロジーが加わった。
国家が独占している通貨主権においても、リプラを発行したFacebookのように、非国家アクターが挑戦することが可能となった。
国家トップがデジタルテクノロジーに対して意思表明することは珍しくなくなっている。

なお、本の帯には「全ビジネスパーソンの新・教養」と書かれている。
国際政治やテクノロジーに関する教養を身に付けたいビジネスパーソンにはおすすめの一冊。
ただし、この2分野の知見が全くない場合は、読むのに苦労するかもしれない。

①デジタルテクノロジーの現代史
技術獲得による国家の覇権争いは、デジタルテクノロジー登場以前から存在する。例えば19世紀初頭、米国は英国の技術を盗んでいた、
マイクロソフトとインテルは90年代、「Wintel同盟」と呼ばれる強固な関係を構築し、数多のサードパーティに影響を与えた。

②サイバー攻撃の話
③権威主義国家がデジタルテクノロジーを使うと?
④プラットフォーマーに対する国家の制裁
⑤デジタル通貨。Facebookのリプラ
⑥日本の採るべき道

自分の経験

・大学時代、ゼミで国際政治を専攻していたので、当時のことを思い出した。
・当時は2013年だったが、ゼミにおいてIT企業やテクノロジーについて教授が言及した記憶はない
→政府、国際機関、NGO/NPOへの言及は多かったが、企業に対する言及は少なかった印象。
→また、あくまで「企業」という一括りであり、「IT企業」というように、特定の業界について言及した事は皆無だった。
・当時、「GAFA」「ITプラットフォーム」という言葉は多くの人に馴染んでいなかったと思う。
→「IT大手に対するプライバシー保護」という概念もない時代だった。

自分の意見

・GAFAは国家ではないが、先進主要国と同等、あるいはそれ以上の影響力を有してると考えた方がいいだろう。
・一個人としては、GAFAと上手く付き合うことが、良き人生を歩むカギになるのではないか。
→15年以上の闘病生活を送った自分が社会人になれたのは、SEOアフィリエイトで稼いだ実績があったからだ。
・今多くの人が、iOSやAndroidアプリを開発したり、Amazonで不用品や自社製品を販売したり、FacebookやInstagramで自己表現をしている。
→プラットフォームに感情的になるのではなく、「どう上手く使いこなせばいいか?」を考えるべし。