マインドマップから始めるソフトウェアテストの書評を現役テストエンジニアが書いてみる

マインドマップから始めるソフトウェアテスト」という書籍について、ちょっと興味はあるけど買おうかどうか…と迷われてませんか?

この記事では、「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」をおすすめしたい方や本の内容、購入してどう思ったかを、現在ソフトウェアテストの業務を行っている私が解説してみたいと思います。



「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」はどんな人におすすめ?

ソフトウェアテストの現場に入って日が浅い。
初めてのことばかりで、業務のことがよくわからない。
ソフトウェアに関する体系的な知識を身に着けたい。

もし、あなたがこのような状況に置かれてる場合、「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」はぜひ手に取って欲しい一冊だと言えます。
個人的にも、現場に新人や未経験者が入ってきたら、真っ先にこの本を勧めたいですね。

テストへの理解を深めたい方にまず見て欲しいのは、ソフトウェアテストの全体像についてわかりやすく解説された第Ⅱ部。まずはこの章を確認して、担当業務がどの位置にあたるのか確認してみてはいかがでしょうか。

以下の図は、テストの各工程が本の第何章に対応してるのかを解説した図です。

業務でわからなかった所があれば、この全体像を確認して詰まったところを確認してみましょう。

自分の場合も、「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」でテストの全体像を掴んだことで、業務をこなすスピードが上がったり、アウトプットの質が高まったと感じています。
各工程の繋がりが鮮明になって、先々のことを考えられるようになったからだと感じますね。

なお、各ドキュメントの書き方については、現場によって違いがあります。本の内容をそのまま業務に応用するよりは、内容のエッセンスを掴んだ上であなたの現場のルールに合わせていくのが大切なのかなと。



マインドマップを使った解説について

「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」の特徴は、テストの各工程(具体的にはテスト設計やテストケースの作成など)の解説にマインドマップを用いている点だと言えます。


巻頭に描かれたマインドマップ。

このマインドマップを使った解説ですが、書評サイトを見てみると「テストの観点が理解できた」「仕様分析やテスト設計で使えそう」「抜け漏れが減った」と好意的な意見が多い印象です。
現場に入ったばかりで何もわからない、先輩から言われたことを何も考えずにこなしている…という未経験者、初心者の方は、この本の内容を真っ先に理解しないと、勤め先の人事評価にも影響が出そうだな…と感じます。

自分の場合も、現場に入りたての頃はテストの要点が何もわからず、上司から言われたことを何も考えずにこなしては、よく「何も考えてない」「この観点がケースに入ってないけど?」と注意されてました。
といっても、「何をどう考えればいいか」なんて最初のうちはわかりませんよね汗

そんな過去の自分に、この本を通して「考えながらテストをする」ことを教えてあげたいなと思います。
マインドマップを使って、仕様書の内容を抑えながらテストケースを作ることで、アウトプットの質は絶対に上がるよ!と教えてあげたいなーと思いながら、この本を読んでましたね。

著者の池田暁・鈴木三紀夫氏はどんな人?

「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」の著者は池田暁(いけだ あきら)氏と鈴木三紀夫(すずき みきお)氏。。2人とも技術者としての側面はもちろん、社外活動としてソフトウェアテストの普及にも取り組まれている点が特徴と言えるでしょうか。

まず池田氏ですが、本業ではソフトウェアの品質保証業務やアジャイル開発、テストツールの導入業務など幅広い業務に従事されているようです。またNPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)の理事を務めるなど、ソフトウェアテストに関するコミュニティに少なくない影響力を持たれてる方のようです。
池田氏のwikiはこちら。

一方の鈴木氏は、エンタープライズ系システムの開発やソフトウェアテスト・要件定義に関するコンサルテーション等の知見をお持ちな方です。池田氏と同様、ASTERの理事も務められている他、個人としてnoteやTwitterも公開されてるみたいなので、見てみると新たな気付きがあるかもしれません。


池田氏・鈴木氏が加入されているソフトウェアテストに関するコミュニティも、名称とURLを載せておきます。
この本を読んで、更に深く学んでみたい方は、こうしたコミュニティを覗いてみるのもおすすめです。

・NPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)

・ソフトウェア品質管理研究会

・派生開発推進協議会(AFFORDD)

・長崎IT技術者会(NaITE)

・JaSSTソフトウェアテストシンポジウム

・JSTQB

意外と奥が深いソフトウェアテスト。まずは基礎知識の習得を

もっと「マインドマップから始めるソフトウェアテスト」の詳細について知りたい方は、出版元の技術評論社の特設ページや、読書メーターに投稿されているレビュー記事を見るのもおすすめです。

・技術評論社のページ

・読書メーター

ソフトウェアテストは、IT業界に入りたての新人や未経験者が最初に行うことが多い業務です。自分もそうでした。
テストは開発や要件定義に比べると簡単、テストの勉強に時間掛けるよりコード書きたい…と思われる方もいるかもしれません。

しかし、このテストという業務、思った以上に奥が深く、甘い考えで臨んでいると痛い目にあうことも珍しくありません。
最低限の知識を学ばない中で業務にあたっていると周りに迷惑はかけるし、自分の評価にも影響してくる可能性も。
基礎知識はなるべく早めに習得しておきましょう。

まずは最初で解説した全体像を掴んで、その上でテストを行ってみましょう。自分もそうでしたが、業務のキャッチアップが早くなり、より重要な業務を任されたり、テスト以外のキャリアパスも広がります。

今より1つ上の目線で、業務をこなしたい方全てにおすすめの一冊です。